「漢方の一久」店主・小國修広が、毎週金曜日15時45分頃~YBCラジオ「ゲツキンラジオぱんぱかぱ~ん」内、「いちきゅうさんの漢方法話」に出演しています。

第122回 20年悩んだ月経痛

小國 本日ご紹介するのは、20年近くも悩まされていた月経痛がなくなり、足の痛みや疲労感からも解放されたという40代の女性のエピソードです。
毎月、20年近くも痛みあったというのは、おつらかったでしょうね。
小國 本当にそうだと思います。この方は、20代から内膜症や卵巣嚢胞など婦人科系のトラブルを抱えていて、月経のたびに刺すような痛みに悩まされてきたそうです。手足の冷えもあり、太ももにも一か所非常に痛む場所があって、それをずっと我慢してきたのだそうです。 そんな中、当店にいらしたきっかけは、ご実家のお父様の影響でした。 体調がすぐれず寝込むことの多かったお父様が、当店に通い、ひとりで雪囲いが作れるほど元気になったのを見て、ご自分も相談したいと来店されました。
ご家族が元気になった様子を目の当たりにされて、ご本人もいらしたんですね。
小國 はい。ユーモアのある話し方をされる方で、お父様の姿を見てびっくりして「腰を抜かした」とお話しくださいました。 さて、この方の症状を伺って舌を拝見すると、エネルギー不足と水分の滞り、さらに熱が内にこもってアンバランスになる「心熱」があることがわかりました。はつらつとした印象の方ですが、実はガス欠気味の体を、無理にアクセルを踏んで回しているような状態だったのです。
活発な方ほど、知らないうちに体に負担をかけてしまうのかもしれません。
小國 そうなんですね。 そこでまずは、こもった熱によってどろどろになった血をさらっとさせ、手足の冷えを取ってのぼせを改善する処方を、ベースとしてご提案しました。 また、ストレスがうまくさばけないために自律神経が高ぶって、めまいも時々あるとのことだったので、そこを安定させる生薬もお入れしました。
月経痛そのものではなく、体全体の流れやメンタル面を整えるお手当てをしたのですね。
小國 はい、おっしゃる通りです。 それからほどなくしてまたご来店いただいたのですが、初めて痛みのない月経を過ごせたと、驚きを交えながら嬉しそうにご報告くださいました。また、太ももの固定痛もなくなって、そこが逆に温かく感じられるようになったそうです。おそらく、血流障害によってなくなりかけていた「ゴースト血管」が、復活したのではないかな、と個人的には思っています。 そのほか、めまいや疲労感がなくなって朝しゃきっと起きられるようになり、仕事の効率が格段に上がったとも、ご報告くださいました。
20年来の痛みと不調が次々になくなっていたんですね。嬉しかったと思います。
小國 悩みから解放されて視界が一気に開けたのでしょう、自信が生まれたとおっしゃっていました。「これで安心して生きられます」とまで言ってくださったことが、私としても本当に嬉しかったです。 若い頃からの月経痛などのお悩みは、「これまでも我慢できたから」と諦めてしまいがちですが、今からでもできるケアが必ずあります。漢方でそのお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

(2021年3月12日放送分)

↓ラジオ音源はこちら↓