「漢方の一久」店主・小國修広が、毎週金曜日15時45分頃~YBCラジオ「ゲツキンラジオぱんぱかぱ~ん」内、「いちきゅうさんの漢方法話」に出演しています。

第124回 慢性的な下痢が改善

小國 本日ご紹介するのは、慢性的な下痢、お腹と下半身の冷えに悩んでいた30代男性のお話です。
いつもお腹がゆるいというのは、つらそうですね。
小國 慢性的な下痢というのは、じつは私も経験がありますが、とてもつらいものです。 この方は工場でお仕事されていて、責任あるポジションで頑張っていらっしゃる方でしたが、 床がコンクリートで温度も低く、つねに寒さを感じているということでした。 主訴は下痢とお腹と下半身の冷えでしたが、慢性的な不眠もあり、 夜中起きてしまうので日中眠くてしかたないということでした。 舌を拝見すると、苺状のブツブツがあり、自律神経が亢進して熱がこもっている状態でした。 また、べろの根元が細く、もともと消化器系が弱い方のようでした。
様々な不調が重なっている状態だったのですね。
小國 そうですね。また、下痢軟便の方はのどが渇きます。 血液中の水分が抜けてしまうため、体が「水分がないぞ」と反応するからです。 その結果、たくさん水を飲みすぎて水が過剰になり、むくみもある状態でした。 冷えも相当ありましたので、お腹を温め、直腸内の余分な水分をとり、 血液に吸収させてお小水として出すようなご提案をしました。
下痢、冷え、むくみ、すべてつながっているんですね。
小國 そうですね。また、足がつる、目やにが出るなどのお話もありました。 目やにも体に湿熱があると出やすくなるものです。 ストレスをうまくさばけず、そのために神経が高ぶっているようでしたので、 ストレスをさばき湿熱をとる処方もご提案しました。 ところで、この方はもともと奥様が当店に来てくださっていて、 そのご紹介でいらしたんですね。先日、奥様の処方のために来店されたときに、 ご自身の体調について、感動をまじえてお話くださいました。
感動をまじえて、ということは、とても体調がよくなられたんですね!
小國 はい。下痢については1日4回から6回もの戦いだったのが1日2回ほどに減ったそうです。また、夜中に目が覚めなくなり、日中の眠気もなくなったそうです。 また、とにかくお腹があったかいですとお話しくださいました。
漢方が合っていたのでしょうね。
小國 嬉しいですね。ただ、漢方だけの力ではないんです。 ご本人も頑張って、お食事の改善に取り組まれました。 もともとは好き嫌いも激しく、体をいたわるような栄養素が不足していました。 そこでおすすめの食事内容をお伝えして、ご自身でコントロールできるところはしていただき、足りない部分を生薬でお手伝いしました。
やはり食事は大事なんですね。
小國 「人に良い」と書いて食ですからね。 人には頑張って走る時期もあれば、労わる時期もあります。 この方はいま食生活を見直し、体をお手当てできてよかったと思います。 「下痢軟便がない状態は初めて」と喜んでくださっています。 下痢が続くと、栄養をとっても吸収できず抜け落ちてしまいます。ただし、ウイルスや菌を排出するための下痢もあるので、強制的に止めるのはよくない場合もあります。 漢方では自然なケアのお手伝いをしておりますので、お悩みの方は、ぜひご相談ください。

(2021年3月26日放送分)

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