「漢方の一久」店主・小國修広が、毎週金曜日15時45分頃~YBCラジオ「ゲツキンラジオぱんぱかぱ~ん」内、「いちきゅうさんの漢方法話」に出演しています。

第127回 幼少期からの便秘

小國 今日お伝えするのは、長年の便秘からくる体重の増加やだるさに悩んでいた40代の女性が、便秘を解消して見違えるほど元気になったというお話です。
便秘に悩む女性は多いと聞きますが、そのままにしている方も少なくないのでしょうか。
小國 長年、便秘に悩んでいるという方は多いようです。この方の場合も小学校のときからずっと便秘で、1週間に2回ほど、何とか出すのが当たり前の生活だったそうです。ところが40代になって体重が急激に増えただけでなく、寝付きの悪さと日中の動悸、夕方にかけてのむくみやだるさなど、一日を通してさまざまな慢性不調に悩まされるようになって、どうにかしたいとご相談に来られました。
1日の中で快調な時間がほぼないというのは、お辛いでしょうね。
小國 そうだと思います。むくみもひどく、一方で口の渇きや手足のほてりもある状態でした。 ところで安藤さん、体に溜まった余分な水分を出すためには、何が大切だと思いますか?
何でしょう… 汗をかくことでしょうか?
小國 汗でも出ますが、それは1パーセント程度で、約30%がお小水、残りの約70%はお通じによって排出されるんです。ですので、便秘が続くとむくみの原因になるし、古い体液に溜まった疲労物質も出ていかないために疲れやすくもなってしまいます。
なるほど、たかが便秘と放っておいてはいけませんね。
小國 そうなんです。便通の大切さはまたいずれ、詳しくお伝えしますね。 さて、この方にはまず不要物を出すための生薬と、過労やストレスでたかぶっていた神経を静めるお薬、そしてアンバランスな水分代謝によってこもっていた熱を冷ます生薬をお出しすることにしました。熱が取れると夜も脳が鎮静化し、よい眠りを得やすくなります。
いろいろな方向から手当てをされたのですね。
小國 ほどなくして、お通じがきちんと出るようになったとご報告がありました。 こんなにスッキリしたのは数十年ぶりだと喜んでくださいましたね。 さらにしっかり眠れるようになり、朝食が取れるようになって、これまでは昼と夜に食事が偏っていたのが、3回バランスよく食べられるようになったそうです。 体重も落ち始め、爪や髪、肌がきれいになったという嬉しいご報告もいただきました。
便秘が解消して、体がどんどん良い方向に変わっていったんですね。
小國 はい、本当に良かったです。便秘は、腸だけでなく全身の健康に影響を及ぼす不調です。けれどそれを根本から解消すれば、オセロが黒から白へと一気に変わるように、良いサイクルを生み出すことも不可能ではありません。そのお手伝いを、漢方でさせていただければと思います。

(2021年4月16日放送分)

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