病名のつかない不調
病名はつかないけれど疲れが取れない、体調が悪いと悩んでいる方は多いです。
お話を伺っていると、共通点は寝る時間が遅い、または眠りが浅いようです。特に若い方は寝る時間を惜しむかのように、スマホやテレビを長時間見る方が増えています。
そこで「本気で良くなりたい(ダイエットなら痩せたい)ですか?」との問いに「本気です!」と言われた方には、
・寝る時間は午後10時~11時
・起きる時間は午前5時~6時
とお伝えしています。
眠りを深くし、睡眠時間もしっかりとると、臓器が休まり、眼と脳の疲労がとれます。脂肪も溶けやすくなります。日中のパフォーマンスが上がり、夜は自然と眠くなるという小学生の頃のような良いリズムができます。
時間の管理もできるようになり、あわてない、落ち着いた生活の基礎を作れるのです。
症例
40代、すらっと背の高い女性。主訴は「不安感、パニック」で、夜中に3~5回は目が覚めるとのことでした。お通じは1~2日に1回。緊張すると上半身が熱くなり、手足は冷たく足がしもやけ。のどに異物感があり、朝起きると「漬物石が置かれているよう」とのことでした。
4~5か月ほど医療機関に通い、漢方も処方されたけれどスッキリしない。異物感も取れなくて来店されました。舌を診ると、舌先が赤く、全体的に淡泊な色。こういう舌の方は血液量が少なく、「気血両虚」の状態です。舌に黄色みがかった痰がついていましたが、これは気のめぐりが悪い証拠。目もフリーズしていて笑えない状態でした。
弱っていた方なので、段階を踏んで治していきました。過呼吸もあり、まずは気持ちを落ち着けるための漢方を処方しました。年末に1度来店して、その後は安定して、3月には舌の色も変わって表層が変わり、のどの異物感もとれていました。体によい変化があったので、それに合わせた処方に変更しました。
この方ののどの異物感はストレスと気分のふさぎが原因だったので、気の張りをとって、詰まった痰を落としました。不眠もよくなりましたが、「漬物石がとれた」のが一番うれしいとのこと。春先になると気が上にあがるので、顔が赤くなったりしやすいのですが、そこで上半身に効く漢方を処方し、変化を防ぐことができました。
生薬3種類に加え、濃い栄養剤をご提案しました。効果として、細胞同士をつなぐ糖鎖の伝達がうまくいくようになり、冷たい臓器はあたため、腎臓のろ過率もあげて、体の一部分だけに効くのではなく体全体に効くようになります。
処方した生薬をしっかり飲んでくれた結果、あれほど眠れないと言っていたのが、すぐに眠れるようになりました。夢はすこし見るけれど目が覚めることが少なくなり、日中気持ちが落ち着くようになりました。
症例
40歳女性、2年前から不眠、足の冷え、お子さんにつらくあたってしまうというのが悩みで、歯ぎしり、目の充血、頭痛、全身疲労など「悩みの百貨店」状態でした。生理も初日~2日目までつらく、血塊もあり、眠れない。漢方3製剤と栄養剤を飲み、3日ほどで眠れるようになりました。1か月後に再来店、そのときは穏やかな顔で「朝起きられるようになった」とおっしゃっていました。もともと気虚で、消化器系が弱く、病名はつかなくてもいろいろ悪い状態でした。病院では、1つの症状は見てもらうことができても、「別の症状はよそにいってください」と言われてしまっていました。
症例
中3の男の子。抑うつ感があり、猫背で、お母さん曰く気が弱い。舌は痰でまっしろ。夜眠れない。話を聞くと、友達想いで気遣いのある子。腸が弱いため普段の食事等の栄養を取っても吸収しにくい状態でした。そこでまずやったのは、田んぼの土の入れ替えです。漢方と栄養剤で、水浸しのところに苗木を植えてあげて元気になりました。
症例
長身でやせ形の女性。胃下垂で目に力がなく、疲れがぬけない。風邪もひきやすく肩や首の張りもある。通常、胃下垂であれば「補中益気湯」が連想されますが、この方のように気が上にあがっている状態に気を益す補中を入れるとかえって眠れなくなったりします。気滞で固まっているこの方には、気を散らす処方と、気血両虚を改善する処方にしました。
症例
男性不妊の30代後半。やせ型でおなかぽっこり。精子が弱く、ほとんどない状態。また血液の粘性が高く、睾丸内部の血液がドロドロした精索静脈瘤と診断。血液が精巣に行けば精子に卵巣に行けば卵子になることを伝え、日頃の食事内容も重要とお伝えしながら精子の高速前進率を上げるミネラル剤と脾(消化器系)を立ち上げ、血液をサラサラにする漢方薬を提案しました。 2日目から寝汗もかかなくなり、体調があがりはじめました。
私自身の話をします。
6~7年前から、秋になると首や口の周りに湿疹が出始め痒くなりました。今思えば原因は完全なオーバーワーク、過労です。クルマと同じで走り過ぎればガソリンやオイルが減るのと同じで過労により血液が不足し、身体の内部や表面を潤す陰液も不足していました。ガソリンもエンジンを冷ます水も慢性的に不足していたのですね。当時は漢方を飲んでみたものの、知識不足から対症療法しかできず改善しませんでした。沸騰している鍋のお湯に、差し水をしている状態ですね。年々、動悸がしてなぜこんなに持久力がないんだろうと嘆いてました。
ある日、家族総出で大掃除をしているとき、変な汗をたくさんかき、動けなくなりました。
そんなときに自分の身体を助けてくれる漢方生薬と出逢ったのです。
飲むとすぐに必要以上の汗が出なくなり、朝の目覚め、日中の持久力も改善されました。
それまでは、栄養剤を摂っても、受け皿である自分の身体(土壌)がよくなかったのです。 漢方生薬で土壌を改善し、自分の健康に自信がついてきました。
先日、1年ぶりに合った知人から「なんだか雰囲気変わったな」と言われました。
ほかにも何人かから、雰囲気変わった、いいことあった?と言わました。実際に変化を感じるのは、冷静になれるようになったことと、身体を労われるようになったことです。
自然にこんにちは、と人に声を掛けられるようになったのも、体調がよくなってからのことです。
生薬で体が楽になったので、何をしよう?と考えられます。
朝7時に会社に行って仕事早めにやろう、というようにも考えられます。
体調が悪いときは大変でしたが、そのぶん得たものは大きい。製剤がよくきくお得な体になった。土壌がいいと栄養がよく効くということがわかりました。この感動をみなさんにも伝えたいのです。
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